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            絵筆をかついで
             とぼとぼと
              荒野の中をさまよへば
               初めて知った野中に
                天に続いた道がある
                 自分の心に独りごといひながら
                   私は天に続いた道を行く


      さて、美とは。
        愛することだ。
          愛することによって 知る。


                現実がそのままで美しかったなら、
                 絵も文学も生まれはしなかった。
                  そして現実生活の一部分にでも
                   共感するものがなかったなら
                    文章も絵も
                     作られはしない。



                          真白な地の上に
                      黒い線を一日引ひてゐるだけで、
                   僕の空虚な精神は満足する。




*「松本竣介   線と言葉」
  平凡社
*写真は三方五湖